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リフォーム情報

会員企業リフォームコラムリレー

コラム担当:(有)HUTT (増家)

地震大国日本の建物はどうあるべきか?

平成7年1月17日午前5時40分過ぎ、地鳴りの様な大きな音と激しい揺れを体験した阪神淡路大震災。神戸の街は戦場のような、今まで見たことのない景色に様変わりし、連日ニュースに映し出される見覚えにある景色も、全く違う物として映し出されました。

海外で日本の惨状を伝えるニュースは、日本の家は木材とトタンで出来ている簡素なものだと伝えていました。
いやいや、3匹のこぶたの話?

しかし翌日、友人を迎えに被害の多かった灘区に向かい、無残に壊された家を目の当りにし、昨夜まで普通に暮らしていたその家の変り果てた姿に、言葉を失いました。

死因の多くは建物による圧死です。建物が頑丈であれば、助かった命が多く有る。
建物崩壊によって命を奪われる事の無い頑丈な家を作れないか?
そういう思いから自身で調べ、構造計算をして耐震性を確保する耐震構造を知る事となり、日本の家が地震による死者を出さない強い家である事を願い、地震に強い家づくりをしてきました。 

私が耐震住宅を取り入れた頃、業界も世の中も興味を持つ人は少なかったのですが、東日本大震災、新潟中越地震、熊本地震と大きな地震が続き、耐震に関心を持つ人が多くなり、一貫して耐震を進めて来た事に間違いはなかったと確信しています。

阪神淡路大震災から5年後の2000年に建築基準法の改正で木造住宅に対する構造上の法律がかわりました。

2016年の熊本地震が記憶に新しいですが、熊本地震では、震度6以上の余震が7回発生し、最初の地震では耐えられても、本震並みの余震が4回~5回も起こった時に耐えられるのか?
事実、熊本地震では繰り返される余震に耐えきれずに崩壊した家が多く見られました。
震度6以上の地震に耐えるだけでは無く、繰り返し起こる余震にも耐え、さらには住み続けられる事の出来る家ではならないと痛感しました。

また、熊本地震では、新耐震の建物と旧耐震の建物との耐震データーで、倒壊率に明確な差が出ています。

旧耐震の木造建築の倒壊率28.2%   新耐震の木造建築の倒壊率 8.7%

新耐震の信頼性が証明されました。

近年、必ず来ると言われている『南海トラフ地震』は過去に経験していない程の規模ではないかと予測されています。
天災で有る地震は私たちの力で防ぐ事は出来ませんが、建築に携わる者として、地震に強い家づくりをする事は出来ます。
地震大国で有る日本の家はこれから更に耐震性能を求められる時代になると思います。

現在、耐震性能は1~3段階の等級に区別され、最上級が耐震等級3、震度7以上が2回起こっても住み続けられると定義されています。

私どもNPOひょうご安心リフォーム推進委員会では、耐震性の高い住宅を1棟でも多く増やしたいと言う思いで活動しています。

現在の活動としまして、中古物件で昭和56年6月以前(旧耐震)の建物を購入された方に、インスペクション(耐震診断)を推進し、耐震性に乏しい建物には耐震等級3に上げる耐震リフォームも行っています。

旧耐震以前の建物でなくても、今お住まいの家の耐震等級を知りたいと思われる方は、インスペクションをする事で、耐震等級を調べられます。
現状の耐震等級を知ることで、今後の対策や安心に生かすことが出来ます。

これからは、リフォームにも耐震性が求められる時代になってきました。

これからも【NPOひょうご安心リフォーム推進委員会】は、快適で安全な住まいづくりの情報発信と共に、安心安全なリフォームを提供できる様精進してまいります。

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